Leader's Voice
人工知能(AI)向け半導体を開発する米新興クアドリックが7月、世界銀行系の国際金融公社(IFC)から出資を受けたと発表した。新興国などにAI半導体を広げることを目指す。クアドリックのヴィールバン・ケターパル最高経営責任者(CEO)に事業の現状を聞いた。
クアドリックの強みは何ですか。
「AIデータ処理に特化した半導体のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)のうち、仕様を変更しやすい製品を半導体企業にライセンス提供している。利用者はクラウドではなく、(パソコンなどに搭載する)半導体上でAIの推論を利用できる」
「当社のNPU『GPNPU』の利点は仕様変更のしやすさだ。半導体チップを組み込んだ製品は5年、10年と市場で使われる。一方でAIモデルは毎週のように新しいモデルが登場する。AIモデルが頻繁に変化しても、新しくチップを作り直す必要がない」
どういった用途を想定していますか。
「対象は自動車、プリンター、ノートパソコン、カメラなど様々な機器だ。自動車では固定されたハードウエアを使いながら、ソフトウエアの更新によって車両の安全性を継続的に向上できる」
「日本ではデンソーや京セラが顧客だ。デンソーの用途は車載、京セラはプリンターだ。ロボティクス分野やカメラでも(日本の新規顧客と)協議している」
クラウド上でなく機器上で動作する「エッジAI」の市場動向をどう見ていますか。
「車載やロボティクスなど、いずれも非常に成長余地の大きい市場だ。エッジAIは10年ほど前から語られてきたが、今後2〜3年で大きく成長する」
(聞き手は落合修平)
Veerbhan Kheterpal(ヴィールバン・ケターパル)氏 2000年代から半導体ソフトウエア会社Fabbrix, Inc.や暗号資産(仮想通貨)関連企業の21Inc.の創業に携わる。16年にクアドリックを創業し現職。
初出:日本経済新聞。 元の記事を読む